【7月29日 AFP】(一部更新、写真追加)イタリア南部カンパニア(Campania)州アベリノ(Avellino)近くで28日夜、ナポリ(Naples)とバーリ(Bari)を結ぶ高速道路を走行していた長距離バスが高架から30メートル下の谷に転落し、救急隊によると少なくとも38人が死亡した。

 現場に居合わせた伊ANSA通信のカメラマンや救急隊員らによると、バスは転落する前に複数の車両に衝突し、路上にはこうした車両の車体が積み重なっているという。バスが転落する際に乗客の何人かは窓から投げ出されたもようだ。事故があった高速道路は閉鎖された。

 伊紙レプブリカ(La Repubblica)やコリエレ・デラ・セラ(Corriere della Sera)は、バスの運転手が事故で死亡したほか、複数の子供が負傷したと伝えた。救急隊はこれまでにバスの中から33人、バスの下から3人の遺体を収容した。またこれまでに病院に搬送された2人が死亡したという。

 バスにはイタリア南部で深く尊敬され、2002年に列聖された聖ピオ神父(Saint Pio)の生誕地カンパニア州ピエトレルチーナ(Pietrelcina)への巡礼からナポリに戻る約50人が乗っていたと報じられたが、警察は当面は救助活動を最優先するとして、正確な乗車人数を発表していない。

 現場で取材したAFPのカメラマンによると、救急隊は29日未明になっても転落したバスの周囲をアーク灯で照らして救助活動を続けている。複数の目撃者は、バスはブレーキに問題が生じていたようにも見えたと話している。(c)AFP