【7月18日 AFP】バレエ団の芸術監督襲撃事件など不祥事が相次いでいるロシアのボリショイ劇場(Bolshoi Theatre)で、同劇場の楽団に所属しているベテランのバイオリニストが、舞台と客席の間にあるオーケストラピットに落下して死亡する事故が起きた。

 劇場広報が17日発表したところによると、バイオリニストのビクトル・セドフ(Viktor Sedov)氏(65)は16日、オーケストラピットに転落して負傷し、病院に運ばれたものの17日に死亡したという。

 セドフ氏は同劇場の楽団歴約40年のベテラン奏者で、第2バイオリンを担当していた。ユーモアのセンスと並外れた博識ぶりで、多くの団員たちに慕われていたという。

 世界有数の劇場であるボリショイでは今年に入り、セルゲイ・フィーリン(Sergei Filin)芸術監督が酸性の液体を顔にかけられ、ほぼ失明状態になる事件が発生。ロシア政府は今月、劇場の立て直しを図るため総支配人を解任し、後任にモスクワ(Moscow)のスタニスラフスキー・ダンチェンコ劇場(Stanislavsky and Nemirovich-Danchenko Theatre)の総支配人を務めたウラジーミル・ウリン(Vladimir Urin)氏(66)を任命したばかりだった。(c)AFP