【7月17日 AFP】米サンフランシスコ国際空港(San Francisco International Airport)で着陸に失敗し、炎上したアシアナ航空(Asiana Airlines)のボーイング(Boeing)777型旅客機の乗客83人が、事故機を製造した米ボーイング(Boeing)に多額の損害賠償を求める集団訴訟を起こした。原告団の弁護士が16日、明かした。

 事故の原因究明には数年かかるとみられているが、米シカゴ(Chicago)の法律事務所リベック・ロー(Ribbeck Law)は、これまでに明らかになった情報から、事故機の自動速度維持装置(オートスロットル)の機械的不具合が原因だった可能性が示唆されていると指摘している。

 リベックはメディア向けの発表で、避難用スライダーは設計に問題があり、機内で開いたため「乗客をさらに負傷させ、安全な場所への避難を妨げた」として、ボーイングにその責任がある可能性があるという見解も示した。

 また事故当時、「乗客を避難させるために、警察は炎上する機体の中で乗員にシートベルトを切るためのナイフを渡さなければならなかった」ことにも触れ、シートベルトにも問題があった可能性があるとリベックは指摘している。

 この集団訴訟は、ボーイングの本社があるシカゴで起こされた。リベックはアシアナ航空や事故機の部品メーカー数社にも「事故の責任がある可能性がある」として、訴訟の範囲を今後さらに広げる意向を示している。

 今月6日に起きた事故では、上海(Shanghai)を出発し、韓国・ソウル(Seoul)を経由したアシアナ機がサンフランシスコ国際空港で着陸に失敗して炎上し、3人が死亡、180人以上が負傷した。(c)AFP