【7月16日 AFP】ドーバー海峡を泳いで横断していた英国人女性が14日、遠泳の途中で体調を崩して病院に搬送されたが、搬送先の病院で死亡が確認された。地元警察と英外務省が同日、明らかにした。

 英外務省および仏当局によると、死亡したのは30代の英国人女性のスーザン・テイラー(Susan Taylor)さん。テイラーさんは14日、サポート艇に付き添われて英国側からフランス側へと向けドーバー海峡の遠泳に挑戦していた。

 しかし同日午後5時30分ごろ、サポート艇から沿岸警備隊に除細動器と救援の要請があり、ヘリコプターが現場海域へと急行。テイラーさんは仏北部ブローニュシュルメール(Boulogne-sur-Mer)の病院に搬送されたが午後7時15分に死亡が確認された。

 テイラーさんは、子ども向けホスピス運営団体「レインボーズ(Rainbows)」と糖尿病撲滅団体「Diabetes UK」を通じて募金を呼び掛けていた。これらのチャリティー団体には、それぞれ3000ポンド(約45万2000円)と2200ポンド(約33万1500円)の募金が寄せられているが、テイラーさんの死が報じられた後も募金額は増え続けているという。

 テイラーさんは自身のウェブサイトで、ドーバー海峡横断を世界最高峰エベレストの登頂と比較していた。「泳いでドーバー海峡横断に成功した人は1000人もいないけれど、エベレスト登頂に成功した人間は3000人を超えている。ドーバー海峡横断を達成できるのは(厳しい)訓練を受けた10人に1人だけ」と書き込んでいる。

 テイラーさんは今年初めにスペイン・マジョルカ(Majorca)島で6時間の遠泳に成功していた。(c)AFP