【7月11日 AFP】米サンフランシスコ国際空港(San Francisco International Airport)でアシアナ航空(Asiana Airlines)のボーイング(Boeing)777型機が着陸に失敗し炎上した事故で、操縦士は事故直後、乗客を着席させたままでいるよう客室乗務員に指示していたことが分かった。

 2人が死亡、180人以上が負傷した事故の原因を調査している米運輸安全委員会(National Transportation Safety BoardNTSB)のデボラ・ハースマン(Deborah Hersman)委員長は10日、関係者らへの聞き取り調査結果を発表。これによると、事故直後に客室乗務員らが操縦室に指示を求めたところ、操縦士は当初、乗客の避難誘導を始めないよう指示。避難誘導の指示が出たのは、客室乗務員が機体から出火していると報告した後だった。

「事故機の操縦士が何を考えていたかは不明だが、過去には、乗客を安全に避難させるため緊急車両が到着するまで乗客を機内で待機させた事例が複数ある」(ハースマン委員長)

 ハースマン委員長は、操縦室からは機体外側の炎が見えなかった可能性があると指摘した上で、炎が確認されてからは、避難は迅速に行われたと強調。避難が始まるまでの時間は事故からおよそ90秒だったという。

 事故から2分後には緊急車両が現場に到着。事故から約3分後には消火作業が開始された。(c)AFP