【7月9日 AFP】東京電力(TEPCO)は9日、福島第1原子力発電所の地下水に含まれる放射性物質の濃度が過去3日間で急上昇したと発表した。放射性物質がどこから漏れ出ているのかは把握できていないという。
 
 東電によると、発がんリスクがあるセシウム134が、8日に採取された地下水に1リットル当たり9000ベクレル含まれていた。この数値は5日に採取された地下水の90倍以上に当たる。またセシウム137も、1リットル当たり1万8000ベクレルに上り、5日採取分と比べると86倍に達した。

 政府が定めたセシウム134と137の法定基準値は、1リットル当たりそれぞれ60ベクレル、90ベクレルとなっている。
 
 また、東電はこの2日前にも、法定基準の10倍にあたるトリチウム(夜光時計などに利用される放射性の水素同位体)を地下水から検出したと発表している。5月以来、原発付近の海水におけるトリチウムの濃度が上昇し続けているのは、この地下水が海へ流出していたためとみられる。

 実際、東電は3日に採取した海水から、2011年の6月に海水の計測を開始して以来最も高い数値である1リットル当たり2300ベクレルのトリチウムが検出されたと発表していた。(c)AFP