【6月11日 AFP】インド・ムンバイ(Mumbai)の中心部で10日夕、住居用ビルが倒壊し、少なくとも1人が死亡した。さらに多くの人が下敷きになっている恐れがあるという。同市は、雨期の激しい雨が降り始めてから2日目を迎えていた。

 この事故が発生した同市マヒム(Mahim)地区の警察関係者はAFPに対し、「1人が亡くなったという情報を得ている。救助活動は続いているが、豪雨のため難航している」と語った。

 事故現場のAFPカメラマンによると、5階建てのビルの半分が倒壊してがれきが高い山を成し、その周りに掘削機4台と多くの人が集まっていたという。ビルの半分はまだ倒壊せずに残っている。

 インドPTI通信(Press Trust of India)は地元当局者の話として、亡くなったのは高齢の女性で、他に4人が負傷し病院へ搬送されたと伝えている。またニュース専門局NDTVは、近隣住民によると少なくとも20人ががれきの中に取り残されている恐れがあると報じた。

 同市の郊外では2か月前にも、建設中の7階建てビルが倒壊して74人が死亡する事故が発生し、建設基準の不徹底が露呈したばかり。同国では、高まる住宅需要と横行する腐敗が原因で、無理に経費を削ったり保安検査を行わなかったりするケースも多い。

 ムンバイに雨期が到来して最初の2日間の豪雨で、市内には洪水が発生、市全体に鉄道の遅れと交通渋滞が広がっている。(c)AFP