【4月30日 AFP】バングラデシュの首都ダッカ(Dhaka)近郊で縫製工場などが入るビルが崩壊し、少なくとも382人が死亡した事故で、同国の繊維業界の代表らは29日、欧米の衣料メーカーの代表者らと会い、安全対策の強化を約束するとともに、今後も同国での製造を続けてほしいと訴えた。

 バングラデシュの輸出全体の80%を占める衣料産業の規模は200億ドル(約2兆円)で、中国に次ぐ世界第2位だ。だが今回の惨劇によって、工場の安全対策の不備や労働環境の劣悪さが改めて浮き彫りにされた。

 崩壊したビル「ラナ・プラザ(Rana Plaza)」では英国の低価格ブランド「プリマーク(Primark)」やスペインのアパレル大手「マンゴ(Mango)」などの製品が製造されていたことが確認されているが、工場経営者らはこうした欧米の衣料メーカーが今回の事故を機に同国での製造から手を引いてしまうことを恐れている。

 バングラデシュの繊維工場では一般的に、1日10時間、週6日勤務で、月に40ドル(約3900円)足らずしか稼げない。(c)AFP/Kamrul Hasan Khan