【4月26日 AFP】(一部更新)バングラデシュの首都ダッカ(Dhaka)近郊のサバール(Savar)で起きたビル崩壊事故で26日、生存者45人が救出されたことが分かった。一方で、警察によると死者は273人に増えた。その大半は、ビル内で働いていた女性作業員だという。

 衣料縫製工場が入る8階建てビルで24日に起きた今回の倒壊事故は、バングラデシュ史上最悪の労働災害となり、「メイド・イン・バングラデシュ」の衣料業界にとって新たな惨事となった。死者を出す事故が相次いでいるのにもかかわらず、先進国の衣料品ブランド各社が同国からの製品を買い付け続けることで、労働者の安全よりも利益が優先されているとする批判の声が、この事故で高まった。

 今のところ、このビルで自社製品が作られていたと発表した企業は、英国の低価格ブランド「プリマーク(Primark)」とスペインのアパレル大手「マンゴ(Mango)」のみだが、米ウォルマート(Wal-Mart)や仏カルフール(Carrefour)など、多くの企業は現在も調査中だ。

 米国務省のパトリック・ベントレル(Patrick Ventrell)報道官は、崩壊したビルに入っていた衣料縫製工場と米企業が契約を結んでいたかはまだ確認できていないとしつつ、この事故によって「政府や経営者、バイヤー、労働者にとって、バングラデシュでの労働環境を改善する必要があることが明確になった」と述べた。

 バングラデシュでは25日、亡くなった人たちを悼む数十万人の労働者が職場放棄して半旗を掲げ、国全体で喪に服した。(c)AFP/Munir Uz Zaman