【4月19日 AFP】(一部更新)米テキサス(Texas)州ウェーコ(Waco)郊外にある肥料工場で17日発生した大規模な爆発では、15人が死亡した恐れがある上、何十もの家屋が倒壊した。翌18日には救助隊が、生存者がいないかどうか徹底的な捜索を行った。一方、同工場が2012年、危険物の運搬に関する違反で罰金を科されていたことも明らかになった。

 15日に発生したボストン・マラソン(Boston Marathon)での爆発により、全米がすでに緊迫状況にある中、ウエスト(West)の小さな町で発生したこの爆発について、専門家はマグニチュード2.1の地震に相当する規模だったとしている。

 ウェーコのW・パトリック・スワントン(W. Patrick Swanton)巡査は、この爆発での推定死者数を「5人から15人の間」としながらも、倒壊した家屋や工場のがれきの中からさらに多くの犠牲者の遺体が見つかる恐れもあることを付け加えた。病院ではこれまでに、重軽傷含む160人以上が手当てを受けたという。

■「無水アンモニア」が原因との見方も

 当局の話では、爆発の原因はまだ分かっていないが、捜査によってこれが凶悪犯罪である可能性が完全に消えるまで、爆発があった工場付近を「犯行現場」として取り扱っているとしている。

 一方で、爆発を誘引したのは肥料製造に用いられる化学物質、無水アンモニアであった可能性があるという見方もある。当局は、司法省のアルコール・たばこ・銃器取締局(Bureau of Alcohol, Tobacco, Firearms and Explosives)が捜査を主導していることを明らかにしている。

 また、AFPが入手した関係書類のコピーによると、この工場は2012年、運搬用のタンクに積載している危険物に関する不正表示があったこと、大量の無水アンモニアを運搬する際の「警備計画の策定と順守」をしなかったことで、米国運輸省・危険物安全課(US Pipelines and Hazardous Materials Safety AdministrationPHMSA)から1万100ドル(約99万円)の罰金を科されていたことが18日、明らかになった。この書類によると、工場は最終的に5250ドル(約52万円)を支払い、当局と和解していた。(c)AFP