【4月15日 AFP】13日にインドネシアのバリ(Bali)島の空港でライオン・エア(Lion Air)の旅客機が着陸に失敗し、海に突っ込んだ事故について、旅客の一人が15日、突然の暴風雨で空が「まるで夜のように」見えたと語った。事故では乗客108人のうち数十人が負傷したが、死者はいなかった。

 フランスのビジネスマン、ジャン・グランディー(Jean Grandy)さん(49)は、AFPの取材に「最終着陸体勢は良かった。しかし突然、雲に包まれた。水が滝のように注ぐ集中豪雨だった。雨は2、3分でやんだ。まるで夜のようだった。その直前まで太陽が降り注いでいたのにもかかわらず」と述べた。

 事故の原因が機長のミスにあるという説や、ボーイング(Boeing)の新型737-800に問題があるとの説もあるが、グランディー氏の証言は一部専門家が主張していた異常気象による事故という説を補強するものだ。

 グランディー氏によると、海に突っ込む前にエンジンの一部が動作しなくなり、航空機が旋回したという。

 グランディー氏の座席は、機体の割れた部分に近かった。そのためすぐに避難することができ、救助隊が到着するまでの間に数人の救助を行うことができたという。

「乗員は極めて優れていた。彼らは責任を持って、全員が機内から避難するまでその場を立ち去らなかった」

 グランディー氏は今後もライオン・エアを使い続けるという。次のフライトは17日のバリ発ジャカルタ(Jakarta)行きだ。(c)AFP