【3月15日 AFP】米ボーイング(Boeing)は15日、都内で記者会見を開き、バッテリー発火問題で運航停止中のB787型旅客機「ドリームライナー(Dreamliner)」のについて「完全に安全だ」と表明するとともに、数週間以内にも運航を再開できるとの見通しを示した。

 ドリームライナーは、リチウムイオン電池の発火トラブル発生を受けて1月中旬から世界各地で計50機が運航停止となっている。

 記者会見したボーイングの民間航空機部門「ボーイング・コマーシャル・エアプレーンズ(Boeing Commercial Airplanes)」のレイモンド・コナー(Raymond Connor)社長は、バッテリー発火問題では既に適切な改善処置を施しており、現在、飛行試験を行っていると説明。当初は数か月を要するとみられていた運航再開の時期について「数週間以内にも可能になりそうだ」との見解を示した。

 一方、B787を担当するチーフプロジェクトエンジニアのマイク・シネット(Mike Sinnett)氏は「ドリームライナーは安全なのかと聞かれれば、完全に安全だと答える」と述べた。

 コナー社長らによると、ボーイングではさまざまな分野のエンジニア総勢500人で問題の解決に臨んだが、発火に至った根本的な原因を見つけることはできなかった。しかし、80種類のバッテリー異常の例を想定し、それぞれについてバッテリーパック内部の絶縁処理を強化したり、蒸気が機外に放出されるよう通気対策を施すなどの処置を行ったという。

 ボーイングがバッテリー発火問題について記者会見を開くのは、今回が初めて。会見地に日本を選んだのは、ドリームライナーの最大の納入先が全日空(All Nippon AirwaysANA)と日本航空(Japan AirlinesJAL)であり、また部品提供元の3分の1が日本企業であるためとみられる。(c)AFP/Harumi Ozawa