遺棄されたロシア客船、無人のまま北大西洋を漂流中
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【2月22日 AFP】遺棄されたロシアの客船「リュボーフィ・オルロバ(Lyubov Orlova)」号が、無人のまま警告灯も付けず、アイルランドの西方沖およそ2400キロメートルの大西洋を漂流している。
リュボーフィ・オルロバ号は、債務不履行のため2010年9月にカナダの港で同国当局に差し押さえられた。このほど廃船が決まり、先月23日、タグボートにえい航されてカナダの港を出港しドミニカ共和国の廃船処理場に向かったが、翌日にケーブルが破損したため国際水域で立ち往生。カナダの海底油田作業船アトランティック・ホーク(Atlantic Hawk)号が同号のえい航を試み一度は成功したものの、同号は再び漂流を始め、以来、同号の所在は分からなくなっていた。
衛星画像を分析して米政府向けに詳細地図を作成する米地理空間情報局(National Geospatial-Intelligence Agency、NGA)の大西洋海事日報からAFPが得た情報によると、リュボーフィ・オルロバ号は21日現在、アイルランド沖1300カイリ(約2400キロ)付近を漂流している。徐々に欧州大陸に向かっているという。
カナダ運輸当局は先に、2年間も放置されていたリュボーフィ・オルロバ号は既にカナダの領海を出ており、カナダ当局の関知するところではないと主張。責任は船の所有者が持つべきだと見解を示している。(c)AFP