【1月28日 AFP】ブラジル南部サンタマリア(Santa Maria)のナイトクラブ「キス(Kiss)」で27日未明、火災が発生し、少なくとも245人が死亡した。

 各種報道によれば、火災は27日午前2時(日本時間同日午後1時)すぎに発生した。出火当時店内では大学のパーティーが催されており、ロックバンドが演出で花火を使っていたという。店内には大学生を中心に300~400人の客でごった返していたとみられている。

「みんな押し合いへし合いしていた。最初は小さな炎だったのに、一瞬で燃え広がった」と、生存者の一人は報道陣に語った。「ステージの近くにいた人たちは脱出できなかった」

 別の生存者によると、出入り口のドアはとても小さく、そこに大勢の人が殺到したという。サンタマリアの消防当局によると現場はパニックになり、多くの人が踏みつけられたり、煙を吸ったりしたことによる窒息で死亡したという。サンタマリアの軍警隊は245人の死亡を確認するとともに、さらに48人が病院に搬送されたとAFPに語った。このため死傷者数は増える可能性がある。

 ブラジルのジルマ・ルセフ(Dilma Rousseff)大統領は、チリのサンティアゴ(Santiago)で開催中の欧州・南米首脳会談に出席していたが、予定を切り上げて帰国し、サンタマリアへ向かった。「私たち皆にとって悲劇であり、ここで首脳会談を続けることはできない。私にとって優先すべきはブラジルの人々だからだ」と、大統領は同行記者団に語った。(c)AFP