【11月1日 AFP】ミャンマーの少数民族ロヒンギャ(Rohingya)人を乗せた船がバングラデシュ沖で沈没し、約130人が行方不明となっている。船はマレーシアを目指していた。バングラデシュ警察とロヒンギャ人の権利擁護団体が31日、明らかにした。

 迫害から逃れるためミャンマーを脱出したイスラム教徒のロヒンギャ人は過去数十年で数十万人に上る。ロヒンギャ人はミャンマーの隣国バングラデシュに向かうことが多く、最近の他民族との衝突で避難民が増えている。

 ミャンマーとの国境に近いバングラデシュ南東部の町テクナフ(Teknaf)の警察官はAFPに、生存者(24)の話として、船には約135人が乗っていたと説明し、この生存者は身柄を拘束されていると加えた。この警察官はまた、計6人が漁船によって救助されたと伝えられていると話した。

 ミャンマー西部ラカイン(Rakhine)州で6月、ロヒンギャ人と多数派の仏教徒との衝突で多数の死者が出た。ここにきて宗教間の対立が再燃しており、これまでに少なくとも89人が死亡、何万人もの住民が避難を余儀なくされている。この衝突が起きて以降、バングラデシュはロヒンギャ難民の受け入れを拒否し、国連(UN)から批判されている。バングラデシュは、既に推計30万人のロヒンギャ難民を抱えており、大きな負担になっていると主張している。

 こうした事態を受けて、多くのロヒンギャ難民は、イスラム教徒が多数を占めるマレーシアに逃れようとしている。(c)AFP/Kamrul Hasan Khan