【10月2日 AFP】(一部更新)香港(Hong Kong)のラマ島(Lamma Island)沖で1日午後8時20分(日本時間同日午後9時20分)ごろ、電力会社の船が一般の旅客フェリーと衝突して沈没し、2日午前までに36人の死亡が確認された。

 香港の電力会社、香港電燈(Hong Kong Electric)がニュースサイトRTHKに明らかにしたところによると、沈没した船には中国の建国記念日「国慶節」を祝ってビクトリア・ハーバー(Victoria Harbour)で上げられた花火を見るために124人が乗っていた。

 船は短時間で浸水し、衝突から数分で船首部分のみ水上に残して水面下に沈んだ。現場付近にはボートやヘリコプターが出動した他、ダイバーも沈没した船の内部に入って夜を徹して行方不明者の捜索が続けられた。

 政府は、5か所の病院に100人以上を搬送し、うち9人が重傷あるいは重体だと発表した。政府によると28人が現場で、8人が搬送先の病院に到着した直後に死亡が確認された。政府は船内に人が取り残されている可能性も排除できないとしている。全ての犠牲者と負傷者の多くは香港電燈の船に乗っていた人だとみられている。

 これに先立ち、香港の消防当局は、2日午前3時(日本時間同日午前4時30分)までに沈みつつあった船から乗客123人を救出したが、現場で17人、搬送先の病院で8人の死亡が確認されたと発表していた。

 ラマ島は香港で3番目に大きい島で、人口は約5000人。香港島の南西約3キロの位置にあり、車が通れない細い通りやリラックスしたライフスタイルで海外駐在員の間で人気が高い。(c)AFP/Stephen Coates