【10月1日 AFP】(一部更新)毎年恒例の観光イベント「オールドバー・ビーチ・フェスティバル(Old Bar Beach Festival)」が開催されているオーストラリアのニューサウスウェールズ(New South Wales)州タリー(Taree)で1日、観覧車に小型機が突っ込んだ。機体は観覧車に挟まって宙づりになり、パイロットと乗客の2人が閉じ込められた。

 事故当時観覧車には少年(9)と少女(13)の2人が乗っていたが、いずれもけがはなく、事故から約1時間半後に無事に救助された。現地警察によると突っ込んだのは小型機チーターS200(Cheetah S200)で、警察と救急隊が観覧車を安定させて2人を救助する作業を進めた結果、パイロット(53)と乗客(32)も、子どもたちが救助された1時間15分後に救助された。2人とも無傷だった。

 小型機は近くの飛行場を離陸して間もなく、観覧車の回避に失敗したとみられている。機体が燃料漏れを起こしていたという報道もあった。

 豪ABCは、「(飛行機が)低すぎると思った次の瞬間、大きな音を立てて真っすぐ観覧車にぶつかった」という、事故を目撃した女性の証言を伝えた。

 事故当時近くにいたという別の男性、リミアン・パーキンス(Rimian Perkins)さんはABC Onlineに、「突拍子も無い事故だよ。観覧車は見た目より丈夫なんだね」と語った。衝突の衝撃で観覧車が倒壊するのではと心配した人もいたという。

■産業用クレーンを使って救助

 AFPの取材に応じたパーキンスさんは大きな音が聞こえたが最初は何が起きたのか分からなかったと振り返った。

「飛行機がどこに落ちたのか探そうと地面を見回していたので、飛行機が観覧車にひっかかっているのに気付くまで1分くらいかかった。子どもが2人いるのが見えた。2人とも大丈夫そうだった。子どもたちはよく我慢したね。救助隊は救出方法を決めるのにてこずっていた」

 結局、現場に運び込んだ産業用クレーンで、救助隊員が乗り込んだ金属のバスケットを子どもたちが乗っていた観覧車の座席の高さまで吊り上げて救助したという。その後、このクレーンを使って飛行機の撤去作業が始まった。

 タリーはシドニー(Sydney)から北東に約250キロの位置にある。航空安全当局が事故の状況を調べるとみられている。(c)AFP