【8月23日 AFP】中国の週刊誌「新世紀」は22日、中国鉄道車両大手「中国北車(China CNR)」が製造した高速鉄道車両の車軸にひび割れが見つかったと報じた。

 同誌によると、前月行われた検査で「CRH380BL」型車両の車軸に長さ7.1ミリ、幅2.4ミリのひび割れが見つかった。鉄道省が定めた基準では、2ミリ以上のひび割れが見つかった場合、車軸が破損して脱線する恐れがあるため、車軸の交換が義務付けられている。

 中国北車は12日に部品の故障などを理由に北京(Beijing)~上海(Shanghai)路線の高速鉄道54編成のリコール(回収・無償修理)を発表したばかりだが、同誌はこのリコールの真の理由は車軸のひび割れだった可能性があると報じている。40人が死亡し約200人が負傷した7月23日の高速鉄道衝突事故を受けて安全性への懸念が高まっている中国の高速鉄道に、新たな不安材料が加わる形になった。

 中国北車は、整備員が車軸に「ひび割れのようなもの」を発見したが、鉄道省の専門チームが検査した結果、ひび割れではないことが判明していると反論し、「新世紀」の報道を否定した。

 「新世紀」の報道に先立ち、上海の鉄道当局は21日、北京~上海路線を含む高速鉄道の列車18本の運転を28日から停止すると発表した。鉄道ダイヤの再編成によるものだとしているが、詳細は明らかにしていない。7月23日の事故以降、当局が高速鉄道の速度を下げるよう命じたため運行ダイヤに影響が出ており、鉄道当局は運行を停止する列車が増える可能性も示唆している。(c)AFP