【7月25日 AFP】(一部更新)中国東部浙江(Zhejiang)省温州(Wenzhou)郊外で起きた同国史上最悪の高速鉄道事故で、中国政府は上海鉄道局の幹部3人を解任するとともに、鉄道システムの安全性について緊急総点検を行うよう命じた。国営新華社(Xinhua)通信が24日伝えた。

 鉄道省の25日の発表によると、確認された事故の死者は36人、負傷者は192人。事故原因はいまだ調査中としているが、前日までに同省が出した声明によると、初期調査では落雷による設備故障とみられている。新華社通信は、落雷で電源を失った列車に後続列車が追突し、4両が高架橋から落下、別の2両が脱線したと報じた。

 24日午後までには、事故車両の残骸のほとんどが現場から撤去された。

 中国政府は2020年までに1万6000キロの完成を目指す高速鉄道網整備計画に巨額の資金を投じてきた。一方で、計画をめぐって汚職もささやかれ、会計検査官の指摘によれば前年、1億8700万元(約22億円)が建設業者などによって横領されたとされる。

 今回の事故についてインターネット上には、鉄道省の主任技師への辞職要求や、鉄道相の顔にバツ印をつけた写真の投稿など、鉄道当局者の責任を問う声が溢れている。(c)AFP/Marianne Barriaux