【3月29日 AFP】イエメン南部アビヤン(Abyan)州ジャール(Jaar)近郊の武器工場で28日、武器を略奪しようと住民らが工場に押しかけた後に爆発があり、少なくとも75人が死亡、84人が負傷した。

 治安当局者によると、この工場では27日に国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)のメンバーと見られる30人ほどの集団が略奪を行ったばかりで、住民らは残された銃や弾薬を手に入れようと工場に押しかけた。その直後に複数回の爆発が起こり、工場は炎に包まれたという。

 ある地元当局者によると、死者は75~80人で、多くの遺体が判別不可能なほど焼け焦げていたという。

 別の当局者は、国防省系のウェブサイトに、爆発の原因は現場に残されていた火薬が引火したことによるものだと説明し、「アルカイダが市民をわなにはめた」との見方を示した。

 同国では2か月前からアリ・アブドラ・サレハ(Ali Abdullah Saleh)大統領の退陣を求めるデモが繰り広げられており、政情不安定なアビヤン州も例外ではない。アルカイダのメンバーと見られる集団が武器工場の略奪を行った27日、ある治安当局者は「アルカイダ系武装組織とみられる集団がジャアールと周辺の村を掌握した」と発表していた。

 イエメンでは銃の収集が一種の流行になっており、銃の数が人口の3倍程度となっている。(c)AFP/Fawaz al-Haidari