【12月20日 AFP】メキシコ中部プエブラ(Puebla)州テクスメルカン(Texmelucan)で19日未明、石油パイプラインが爆発し、市内に流出した石油が炎上した。市内の通りは火の海と化し、27人が死亡した。

 爆発の原因について州当局は、石油窃盗団が石油を抜き取る目的で、国営メキシコ石油公社(ぺメックス、Petroleos MexicanosPemex)の超高圧のパイプラインに穴を開けたために石油が噴出、市内に石油が溢れ出したところへ引火したと説明している。

 市民保護当局によると、この事故で52人が負傷し、家屋32戸が全焼。近隣住民数百人あまりが避難を余儀なくされた。また、出火したパイプラインから半径3キロメートルの範囲では、爆発の衝撃で建物の窓ガラスが割れたり車が燃えるなどの被害がでた。

 駆けつけた消防隊がタンクローリーや消防ポンプ車を導入して、火災は鎮火されたが、石油が近郊のアトヤック(Atoyac)川に流れ込んだ恐れがあるという。

 火災の煙は、テクスメルカンから30キロ以上も離れた州都プエブラからも確認されたという。

 近年、メキシコではパイプラインから石油を抜き取る窃盗が増加しており、その被害額は年間100億ペソ(約680億円)に上るという。(c)AFP/Erika Ramirez