【10月2日 AFP】チリ北部のサンホセ(San Jose)鉱山の落盤事故で、地下約700メートルに閉じ込められている作業員33人の救出について、チリのラウレンセ・ゴルボルネ(Laurence Golborne)鉱業相は1日、予定よりも数週間早く10月後半には開始できそうだとの見通しを語った。

 救出準備の作業の困難さから当初、救出は11月上旬になると見込まれていた。救出は1人乗りのカプセルを、現在掘削中の穴を通じてクレーンで引き上げる計画だ。

 一方、鉱山を操業している鉱山会社サン・エステバン(San Esteban)の経営陣は現在、7月に坑内の落石で作業員1人が脚を失った事故調査のため、90日間、出国しないよう裁判所に命じられた。この事故について、会社側の弁護士が「チリ中どこでも起きている典型的な鉱山事故だ」と主張していることに対し、脚を失った作業員の弁護士は、会社側の「怠慢」の結果起きた事故だと反論している。

 閉じ込められている作業員のうち29人の家族は9月30日、サン・エステバンとチリ国立地質鉱業調査所(National Geologic and Mining Service)を相手取り訴えを起こした。サンホセ鉱山で2007年に死者1名を出す事故があったにもかかわらず、翌08年に操業を再開したことを追及している。

 今回の事故発生時点ですでに経営難に追い込まれていたサン・エステバンに対し、チリ政府は救出費用をまかなうため、970万米ドル(約8億1000万円)相当の同社の全資産を凍結する命令を出すよう裁判所に求めている。今後、査定官が操業継続か破産手続き開始のいずれかの計画を作成することになっている。(c)AFP