【9月6日 AFP】チリ北部サンホセ(San Jose)鉱山の落盤事故は5日、事故発生から1か月を迎え、地上の家族らが歌や音楽で地下700メートルに閉じ込められている作業員33人を激励した。同日公開された資料によれば、救出は最短なら11月上旬にも可能な見込みという。

 現場近くでは、チリ人32人とボリビア人1人の作業員ために両国の国旗が人数分掲げられ、落盤事故が発生したとみられる午後1時45分(日本時間6日午前2時45分)に楽隊が威勢のよい音楽を奏でた。続いてラウレンセ・ゴルボルネ(Laurence Golborne)鉱業相が作業員の氏名を1人ずつ読み上げると、そのたびに家族や友人から「ビバ(万歳)!」と歓声が上がった。

 これに先立つ4日には、テレビ電話によって家族が作業員の顔を見ながらの会話が実現した。

■3つの救出プラン、最短なら11月

 救援隊や報道陣に5日配布された資料によると、救出プランは現在進められている「プランA」を含め、3種類。うち、サッカーコート大の石油掘削設備を活用する「プランC」ならば、掘削する深さが約597メートルですむため、救出時期が最大で当初見込みよりも2か月前倒しできるという。「プランC」は、つり鐘状のカプセルで作業員を1人ずつ地上に引き上げるという計画で、チリの独立記念日にあたる18日までには竪穴の掘削に着工する見通しだ。「最善のシナリオで11月半ば、何らかの問題が起きたとしても12月初旬までに」救出できるとされる。

 一方、「プランB」は同日、掘削機械の設置作業に入ったが、まだ地下620メートルまで掘り進めなければならない。それでも、救出までに3~4か月が必要とされる「プランA」よりは救出までの期間を短縮できる。「プランA」にいたっては、5日現在までに掘り進んだ距離はわずか地下40メートルにとどまる。(c)AFP/Pablo Fernandez and Paulina Abramovich