【5月12日 AFP】(一部更新、写真追加)リビアの首都トリポリ(Tripoli)の空港で12日午前6時(日本時間同日午後1時)ごろ、乗客乗員104人を乗せた南アフリカ・ヨハネスブルク(Johannesburg)からのアフリキーヤ・エアウェイズ (Afriqiyah Airways)のエアバス(Airbus)A330が着陸直前に墜落し、103人が死亡した。8歳のオランダ人の少年が唯一、生存者として発見された。

 空港警備員によると墜落したのはアフリキーヤ・エアウェイズ8U771便で乗客93人、乗員11人が乗っていた。当初は全員が絶望視されていたが、生存者として発見された少年1人が病院へ急送された。

 その後記者会見したリビアのモハマド・アリ・ジダン(Mohammed Ali Zidan)運輸書記(運輸相)は少年の容体は「危険な状態ではない」と語るとともに、事故機には「リビア人、アフリカ人、欧州人」が搭乗しており、すでに96人の遺体を収容したと述べた。事故原因は調査中だが、テロの可能性はないとしている。

 一方、ハーグ(The Hague)のオランダ観光連盟は、オランダ人61人がこの事故で死亡したと発表した。南アフリカ政府も乗客に自国民がいないか調べている。

 ある空港警備員はAFPに「着陸時に爆発し、機体が完全にばらばらになった」と語った。別の警備員は、機体は着陸の直前に火を噴いていたと述べた。乗員は全員リビア人だったという。機体は新しく、前年9月に航空会社に引き渡されたばかりだった。

 現場にいたAFP記者によると、事故直後は墜落現場一帯への立ち入りが禁じられ、約50キロ離れた首都中心部と空港の間を救急車両が行きかっていた。機体の残がいは遠くからも見えたが煙は上がっていなかった。同日朝のトリポリの天候は晴れでわずかな雲しかなかったという。

 欧州では4月、アイスランドの火山噴火による火山灰の影響で空の交通が混乱したが、アフリキーヤ・エアウェイズは同21日に通常の運航を再開したと発表していた。

 今回の事故は、トリポリ空港の近くにリビア航空(Libyan Arab AirlinesLAA)機が墜落して157人が死亡した1992年12月22日以降、リビアで発生した航空機事故としては最悪のものになった。(c)AFP/Imed Lamloum