【4月12日 AFP】ロシア西部スモレンスク(Smolensk)で10日、乗っていた政府専用機が墜落して死亡したポーランドのレフ・カチンスキ(Lech Kaczynski)大統領の遺体が11日、ポーランドの首都ワルシャワ(Warsaw)に戻った。

 ポーランド国旗をかけられたひつぎは、空港で儀仗(ぎじょう)兵と大統領の双子の兄、ヤロスワフ・カチンスキ(Jaroslaw Kaczynski)元首相ら遺族や政府高官に迎えられた。

 ひつぎは軍楽隊が演奏するポーランド出身の作曲家フレデリク・ショパン(Frederic Chopin)の「葬送行進曲」が流れるなか、霊柩車で大統領宮殿に向かった。沿道ではたくさんの市民が葬列を見送った。 

 大統領を含む政府高官ら96人が犠牲になった今回の事故を受けポーランドは深い悲しみに包まれている。全国で正午に2分間の黙とうが捧げられ、ワルシャワ市内では車を止めて黙とうするドライバーの姿が見られた。1週間の服喪期間が始まり、各地の教会に大勢の人が訪れた。

 カチンスキ大統領のマリア(Maria)夫人の遺体はまだ確認されていない。大統領報道官はAFPに対し「確認されていれば、大統領の遺体とともに帰国したでしょう」と語った。

■事故原因は調査中

 ロシアでは、カチンスキ大統領のひつぎを乗せた航空機がポーランドに向けて飛び立つ前に、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)首相らが参列してスモレンスクで追悼式典が行われた。

 ポーランド国歌が演奏されるなかプーチン首相は台に置かれたひつぎに赤いバラを供え、頭を下げた。プーチン首相は事故原因の調査を指揮しているが、ロシアの当局者はすでに、飛行高度が低すぎるという航空管制官の警告をポーランドのパイロットが無視したと語っている。

 Alexander Bastrykin主席調査官はスモレンスクでプーチン首相に、事故機に技術的問題はなかったという記録を確認していると報告した。ロシアの事故調査委員会は回収された胴体の一部、航空管制の記録、事故機のフライトレコーダーを分析していると発表した。(c)AFP/Maja Czarnecka

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