【4月5日 AFP】前月28日に坑内に大量の水が流れ込み、作業員153人が閉じこめられていた中国北部・山西(Shanxi)省の炭鉱で5日未明、9人が救出された。

 9人は、179時間も坑内に閉じこめられていたことから目を保護するため顔にタオルをかけて、ストレッチャーに寝かされて救急車で炭鉱から約50キロ離れた病院に運ばれた。病院関係者によれば救助された人のうち4人の容体は安定しているが、残る5人には緊急治療が行われた。

 3000人を超える救助隊が救出にあたっている。2日に掘削パイプを叩く音を救助隊が聞き、週末に救助隊が炭鉱に入ったが、水の量が予想より多かったことが分かった。4日午後10時30分(日本時間同日午後11時30分)に100人の救助隊が再び炭鉱に入ったところ、2時間後に9人を発見し、発見から40分以内に9人全員を連れて炭鉱から出た。それと入れ替わりで救助隊の第2陣が炭鉱に入り、残る144人を捜索している。
 
 国営テレビは、坑道から音が聞こえることからさらに生存者が救出される可能性があると伝えており、現場には救急車が待機している。

 事故は閉鎖されていた古い坑道に向かって掘り進めていた際に、この坑道にたまっていた水が流れ込んで発生した。労働安全当局は、炭鉱を所有する企業が事故の数日前に坑道に水がたまっているとの警告を繰り返し受けていたにもかかわらず、適切な対応をしなかったために事故につながったと非難している。この企業は、今年10月までに石炭の生産を始めるため、作業を加速するよう作業員に命じていたという。

 中国では前週5件の炭鉱事故が相次ぎ、30人近くが死亡し、約200人が行方不明になっている。(c)AFP