【2月1日 AFP】2000年に仏パリ(Paris)で起きた超音速ジェット旅客機コンコルドの墜落事故をめぐり、米コンチネンタル航空(Continental)が訴えられている裁判の公判が、パリ近郊の裁判所で2日から始まる。

 コンチネンタル航空、同社社員2人に加え、当時の仏航空当局関係者3人について、事故の責任が問われる。公判の期間は4か月の予定。

■113人が死亡した大惨事

 2000年7月25日、エールフランス(Air France)が運航するパリ発ニューヨーク(New York)行きのコンコルド機は、シャルル・ドゴール空港(Charles de Gaulle Airport)を離陸直後に炎上し、墜落。乗員乗客109人全員と、同機が突っ込んだ空港ホテルの職員4人が死亡した。乗客の多くはドイツ人だった。

 仏事故調査委員会は04年12月、コンコルド機の直前に離陸したコンチネンタル航空のDC-10型機から滑走路に落下した金属片が、事故の一因だったと指摘。チタン製の金属片でコンコルドのタイヤが破裂し、破片がエンジンと燃料タンクを損傷したと結論付けた。このため、整備に問題があったとして、コンチネンタル航空および同社の整備担当社員2人が訴えられた。

 一方、事故機本体の異常も事故原因となったとみられ、この点をめぐってコンコルド運航計画の幹部らが責任を問われている。

■幻となった夢の超音速機

 コンコルドは英仏が共同開発した超音速ジェット機で、最高速度は時速2170キロメートル。1976年に商業飛行を開始した。20機が製造され、うち6機は開発用。14機が大西洋路線を中心に旅客機として投入された。

 しかし2000年の事故後、コンコルド機を保有するエールフランスとブリティッシュ・エアウェイズ(British AirwaysBA)はコンコルド機の運行を15か月間停止。その後、短期間、運行を再開したが、最終的に全てのコンコルド機の運行を2003年に廃止した。(c)AFP/Rory Mulholland