【1月30日 AFP】香港・九龍(Kowloon)地区で29日、5階建ての集合住宅が倒壊した。30日になって4人の遺体が収容されたが、救助隊はがれきの下敷きになっているとみられる残る1人の捜索を進めている。

 建物の管理者は、今月このビルの改修命令を受けたが、建物の状態は閉鎖しなければならないほど悪くはなかったと話している。事故当時このビルでは改修工事が行われていたが、倒壊の原因は分かっていない。

 倒壊した建物は1950年代に建築されたもので、目撃者がテレビ局RTHKに語ったところによると、建物はごく短時間で崩れ落ちたという。ある目撃者はケーブルテレビの取材に対し、「壁から砂やタイルが落ち始め、女性が窓から逃げようとしているのが見えた。その15秒ほど後にビルがドミノのように崩れた」と語った。

 英語日刊紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(South China Morning Post)は今回の事故について、「この種の事故としては過去数十年で最悪」と伝えている。倒壊の影響を受けた約100人は2か所のコミュニティーセンターに分かれて夜を明かした。

 人口密度が高く、早いペースで再開発が進んでいる香港では、超高層ビルの合間に古い住宅街が点在している。当局は築50年を超える建物すべてについて、緊急強度検査を行うよう命令した。(c)AFP