【8月18日 AFP】ロシア・シベリア(Siberia)のハカシア(Khakassia)共和国にあるサヤノ・シュシェンスカヤ(Sayano-Shushenskaya)水力発電所で17日、急激な水圧上昇により送水管が破裂し、作業員がいた部屋が浸水するなどして、少なくとも11人が死亡し、数十人が行方不明となっている。

 この事故で、シベリアでは大規模な停電が起こり、アルミ世界最大手ルスアル(UC Rusal)や製鉄・鉱山大手エブラズ・グループ(Evraz Group)の製鉄所への電力の供給もストップしている。

 同国のインタファクス(Interfax)通信は当局発表の最新の死傷者数として、「死者11人、負傷者14人、行方不明者50人以上」と報じている。また、同発電所の技術責任者はタス通信(Itar-Tass)に対し、事故発生当時、現場には約300人がいたと語った。

 発電設備の修理中に送水管などの破裂が起こり、機械室の天井や壁が破損、作業員らがいた部屋が浸水したという。

 ロシア政府は声明を発表し、事故原因は詳細不明の「水圧による影響」によるもので、同発電所にある10基の発電機はすべて停止していると述べた。一方、発電所の近隣住民の間では、この事故によるダム決壊の懸念が高まっているが、セルゲイ・ショイグ(Sergei Shoigu)非常事態相は、ダム決壊の恐れはないと語った。(c)AFP/Anna Smolchenko