原野から生還の英19歳、「自分は大バカだった」
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【7月20日 AFP】(一部訂正)オーストラリアの原野を12日間さまよった後、奇跡的に生還を果たした英国のジェイミー・ニール(Jamie Neale)さん(19)が19日、飢えの恐怖と戦ったサバイバル体験を豪チャンネル9(Channel Nine)テレビに明かした。ニールさんは、自分は「大バカだった」と語ったうえで、一部で報じられている「作り話」説を一蹴した。
ニールさんは、シドニー(Sydney)西部ブルーマウンテンズ(Blue Mountains)のトレッキングコースで消息を絶ち、行方がわからなくなっていたが、15日に同コース上で発見された。
原野で迷った理由について、ニールさんは、オーストラリアの自然を軽く見ており、自分は「大バカだった」と語った。「英国ならば、1日も歩けば、どこかのパブにたどりつく。でもオーストラリアでは、簡単に道に迷ってしまう。十分な準備が必要だったんだ」
さまよっている間、ニールさんが最も恐れたのは飢えだ。ニールさんは生き延びるため、有毒である危険もあったが、ナッツ類を食べていたという。
飢えのほか、ヒルや凍てつく寒さとも戦いながら、ニールさんは、自分が死んだ場合に備えて、家族に宛てた手紙を書きつづっていたと告白した。
「手紙には別れや謝罪の言葉や、道に迷った状況などを書き記した」(ニールさん)
チャンネル9は、インタビュー料として、ニールさんに20万豪ドル(約1500万円)を支払ったとされる。
ニールさんの「奇跡の生還」は、世界各地のメディアで大々的にとりあげられ、ニールさんは一躍、有名人となった。ニールさんが入院していた病院前では17日、ニールさんの家族が契約する広告代理店「22 Management」の車両が待ち受け、退院したニールさんをすぐさま、マスコミの前から連れ去った。
一方、複数の豪メディアは、ニールさんの「サバイバル物語」は、メディアからの巨額の報酬目当ての作り話だと批判するコメントを掲載している。
これに対し、ニールさんは生還体験は事実だと反論。「ぼくを探してくれた救援隊は、この話が事実だと知っている。ぼくにはそれで十分だ」と話した。「言いたい人には、言わせておけばいい。ぼくは真実を語っているのだから」
ニールさんの父親のリチャード・キャス(Richard Cass)さんと22 Managementのショーン・アンダーソン(Sean Anderson)氏は、メディアから得た報酬は、ニールさんを救出した救援隊に寄付する予定だと話している。(c)AFP