【7月15日 AFP】(一部更新、写真追加)イラン・テヘラン(Tehran)北西のカズビン(Qazvin)郊外で15日、168人(乗客153人、乗員15人)を乗せたカスピアン航空(Caspian Airlines)の旅客機が墜落し、168人全員が死亡した。

 イラン保健省のMohammad Reza Montazer Khorasan氏は、「乗客153人、乗員15人全員が死亡した」と発表した。

 目撃者や国営メディアによると、旅客機は空中で発火した後、墜落したという。テレビでは、墜落現場に大きな穴ができ、機体の破片や乗客の衣類、靴などが散乱している様子が放映された。

 カスピアン航空の旅客機は、現地時間午前11時33分にテヘランのイマム・ホメイニ(Imam Khomeini)国際空港からアルメニアの首都エレバン(Yerevan)に向けて出発。イラン民間航空当局のReza Jafarzadeh報道官によると、離陸から16分後にレーダーから消失し、その後、農村地帯のカズビン郊外に墜落した。

 アルメニアの民間航空機組織Arsen Pogossianはエレバンで記者会見を開き、乗客153人の内訳はイラン人147人、アルメニア人4人、グルジア人2人で、イランの柔道ジュニアチームの選手10人も含まれていたと発表した。火はエンジン一基から出、その後パイロットは緊急着陸を試みたという。

 イランの英語衛星テレビ、プレスTV(Press TV)によると、墜落した旅客機は、ロシア製のツポレフ(Tupolev)機とみられる。

 イランの民間・軍用機は老朽化が進んでおり、メンテナンスも不足していて状態は悪いとされる。核問題をめぐる経済制裁により、米ボーイング(Boeing)や米国の部品を多数用いた欧州エアバス(Airbus)の航空機の購入は禁じられている。(c)AFP/Aresu Eqbali