【7月15日 AFP】3日にオーストラリアの原野に1人で旅立ったきり行方が分からなくなっていた英国の19歳の若者が、12日目の15日、奇跡の生還を果たした。草を食べて飢えをしのいでいたという。若者の父親が15日、語った。

 ジェイミー・ニール(Jamie Neale)さんは、シドニー(Sydney)西部のブルーマウンテンズ(Blue Mountains)で、たまたま通りかかった2人のハイカーに発見された。

 発見の報告があったとき、英国からオーストラリア入りしていた父親のリチャード・キャス(Richard Cass)さんは、捜索が打ち切られたため英国行きの航空機にまさに乗ろうとしていたところだった。

 リチャードさんは「空港で知らせを聞いたとき、『息子が見つかった!』って絶叫したよ」と述べた。「携帯電話を家に置いて出かけるティーンエイジャーなんて、ウチの息子ぐらいだ」

 リチャードさんによると、ジェイミーさんはレタスのような味がする草や種を食べて飢えをしのぎ、夜は上着で体をくるんで眠り、捜索ヘリが通るたびに上着を振り回していたという。

 母親のジーン(Jean)さんは、英スカイニューズ(Sky News)テレビに対し、「息子は『ハロー、ママ』とだけ言ったの。もうちょっとで泣きそうな様子だった」と語った。ジェイミーさんは「もう2度と会えないと思った。お母さんの声が聞けてうれしい」と話したといい、それに対してジーンさんは、「そんな簡単にお別れできないわよ」と冗談を言ったという。(c)AFP/Greg Wood