【10月15日 AFP】豪カンタス航空(Qantas Airways)の旅客機の高度が突然変化し、乗員・乗客のうち少なくとも51人が骨折や裂傷を含む重軽傷を負った事故で、豪運輸安全局(Australian Transport Safety BureauATSB)は14日、同機のコンピューターに障害が発生したことで、自動操縦システムが停止し誤ったデータが生成され、機体の急降下につながったと発表した。

 ATSBによると、コンピューター障害による誤ったデータによって機内では警告が鳴り続け、その後飛行制御コンピューターにも影響を及ぼし、同機は197メートル急降下したという。

 事故があったのは、乗員・乗客313人が搭乗していた シンガポール発パース(Perth)行きのカンタス航空72便、エアバス(Airbus)A330-300型機。

 同機は7日、高度3万7000フィートを飛行中、飛行データ・慣性基準システムで障害が発生し、自動操縦が停止したという。停止後も同機の飛行制御コンピューターはキーコントロールで操縦されていたが、これは航空機が失速などの危険な状態に陥ることを避けるためのものだという。

 ATSBの調査部門幹部のジュリアン・ウォルシュ(Julian Walsh)氏は、コンピューター障害によって基幹コンピューターに「誤った数値データ」などが送られ、「失速や速度超過の警告が鳴るなど、複数の結果を導いた」と語った。

 その上で、急降下の原因として「最初の障害が発生して2分後、(飛行データ・慣性基準システムが)同機の迎え角の計算上、誤った数値データを生成した」ことを挙げた。(c)AFP