【4月29日 AFP】中国東部の山東(Shandong)省緇博(Zibo)で28日に発生した列車同士の脱線・衝突事故で、事故列車に乗り合わせていた仏人旅行者が当時の模様を語った。

 パスカル・ボワソン(Pascal Boisson)さん(54)は事故当時、北京(Beijing)発青島(Qingdao)行きの列車で息子のピエール(Pierre、14)くんと娘のジョアン(Joanne、22)さん、友人1人と旅行中だった。

 ボワソンさんは骨折したろっ骨の痛みに顔をゆがめながら、「事故のことは今でも信じられない。あたりが真っ暗な中で、列車が突然逆さまになった」と語る。パスポートやクレジットカード、荷物も無くなってしまったという。

 事故現場に救出チームが到着するまで1時間以上かかり、救出された後もボワソンさんと娘が病院に搬送されるまで、さらに2時間かかったという。また、息子と友人はそれぞれ別の病院へ搬送されていた。

「離ればなれになった経緯はよくわからないが、とにかくピエールをすぐ同じ病院に連れてきてくれるよう頼んだよ。ピエールは中国語を話せないから」

 看護師らはボワソンさんに対し、家族とはすぐに一緒になれると励ましたが、医師らは負傷者の対応で手一杯なようだったという。病院関係者によると、張徳江(Zhang Dejiang)副首相がボワソンさんらの見舞いに訪れ、病院に対し最善を尽くすよう命じたという。

 ボワソンさんは、北京の清華大学(Tsinghua University)に留学しているジョアンさんを訪ねて数日前に中国にやってきたばかりだった。ジョアンさんも脚に負傷したが、28日午後にはピエールくんを病院に見舞うことができたという。(c)AFP/Robert J. Saiget