【1月31日 AFP】エア・カナダ(Air Canada)の飛行中の機内で29日、副操縦士がノイローゼの症状を発症し、航空機がアイルランドのシャノン(Shannon)国際空港に緊急着陸する騒ぎがあった。

 緊急着陸したのはカナダ・トロント(Toronto)発英国ロンドン(London)行きのエア・カナダ848便。乗客146人と乗員は無事だった。

 エア・カナダは記者会見を開き、飛行中に副操縦士が病気になった事実だけを説明したが、公営のカナダ放送協会(CBC)によると、副操縦士は飛行中に大声で独り言を話すなど、奇妙な行動を取り始めたという。

 30日付のカナダのグローブ・アンド・メール(Globe and Mail)紙によると、副操縦士の症状が出たのは離陸から約1時間後。目撃者の話では本人は泣き叫び、必死に「神さま」と唱えていたという。乗客の1人は同紙に対し、「トラウマになりそうな体験だった」と語っている。

 乗員は副操縦士を座席に縛り付け、着陸後、カナダ軍兵士とともに強制的に機内から運び出した。

 シャノン国際空港の広報担当者は騒ぎが起きた際、「機長が管制塔に乗員の体調が悪いため、緊急着陸すると知らせてきた」ことを明らかにした。

 航空会社の広報担当者は、副操縦士は現在「入院中」と発表したものの、病状は明らかにしなかった。

 乗客は同日、別の航空機でロンドンに向かった。(c)AFP