【1月24日 AFP】17日に英ロンドン(London)のヒースロー(Heathrow)空港で着陸失敗事故を起こしたボーイング(Boeing)機の同型機種が、過去10年で計6回のエンジン故障を起こしていたことが分かった。24日の英デイリーテレグラフ(Daily Telegraph)紙が報じた。

 同紙が引用している米国家運輸安全委員会(US National Transportation Safety BoardNTSB)の記録によれば、問題の機種はヒースローでの着陸失敗機と同じボーイング777型機で、直近では2006年9月にオーストラリアのブリスベーン(Brisbane)付近を飛行中、エンジンが故障していた。

 ボーイングの広報担当はデイリーテレグラフの取材に対し「777型機は過去12年間にわたり運航され、飛行時間は360万時間に達するが、その間ひとつの死亡事故も起こしていない。現時点でコメントするのは適切でない」と答えた。

 ヒースロー空港で着陸に失敗したブリティッシュ・エアウェイズ(British Airways)38便は、近隣の建物の屋根や空港フェンスぎりぎりの低空を飛行しながらも滑走路手前の芝生の上に緊急着陸し、乗客136人と乗員16人に死者はなかった。

 英運輸省航空事故調査局(Air Accidents Investigation BranchAAIB)は同事故に関する第1次報告の中で、「着陸地点から3.2キロ、上空180メートルの地点で双発エンジンが推力増強に反応しなかった」と発表している。

 テレグラフ紙によると現在、米国家運輸安全委員会の調査官1人がAAIBのチームに加わり、共同で原因究明にあたっている。(c)AFP