【11月10日 AFP】アーノルド・シュワルツェネッガー(Arnold Schwarzenegger)カリフォルニア(California)州知事は9日、サンフランシスコ(San Francisco)沖で発生した重油流出事故により沿岸部の自然環境が破壊される恐れがあるとして、非常事態宣言を発令した。

 事故では5万8000ガロン(約23万リットル)の重油が流出。現場などを視察したシュワルツェネッガー州知事は声明で「非常事態宣言に署名し、州政府の総力をあげて油の除去作業を行うよう指示した」と述べた。

 同知事は非常事態宣言に先立ち、重油流出事故の対応に当たる部局Office of Spill Prevention and Responseに即時対応するよう指示したという。

 今回の事故は7日早朝に発生。コンテナ船Cosco-Busanがサンフランシスコ・ベイブリッジ(San Francisco Bay Bridge)の橋脚に衝突した。州政府に対しては、初動対応が遅いとの批判の声が上がっていた。

 流出被害の急速な拡大により、サンフランシスコ沿岸では海岸が閉鎖され、作業員が懸命の除去作業を続けているが、自然環境への悪影響が懸念されている。

 州の魚類鳥獣部局Department of Fish and Gameは8日、体全体が油まみれになった鳥類26羽を発見し処置を行ったが、死んだ鳥6羽も発見したと発表。事故により鳥類数百羽が危険にさらされているという。

 サンフランシスコ沿岸では1996年にも修理中の船舶から1万ガロンの燃料が流出。今回の事故はこれに次いで2番目の規模となる。(c)AFP