【8月20日 AFP】中国東部の炭鉱で大雨により相次いで発生した坑内浸水事故で、必死の救出作業が続く中、作業員計181人の生存が絶望視されている。

　山東省（Shandong）新泰市（Xintai）にある三東新鉱集団華源有限公司（張庄煤鉱、Zhangzhuang mine）の炭鉱では17日、坑内に作業員172人が閉じ込められた。警察や同僚の作業員が救出活動を続けているが、当局では生存者が見つかる可能性は低いとしており、中国における近年の炭鉱事故では最悪の被害となる恐れも出てきた。

　国家安全生産監督管理総局（State Administration of Work Safety）の広報官はAFPの取材に対し｢坑内から水を排出しているが、生存者がいる可能性は非常に低い｣としている。同炭鉱では、17日の集中豪雨により新泰市内の河川が氾濫、約10キロ離れた坑内に水が流れ込んだ。当時炭鉱内には750人以上の作業員がおり、大半は避難したが172人が取り残され、消息不明のまま。当局によると張庄煤鉱では18日の時点で、深さ860メートルの坑内が水に満たされた状態になっている。

　また東部の別の炭鉱でも9人が閉じ込められる事故が発生し、同じく全員の生存が絶望視されている。

　2か所の炭鉱事故により、汚職の温床といわれると同時に、世界で最も危険な職場と悪名高い中国の炭鉱産業に再び焦点が当たった。公式統計によると、中国の炭鉱では昨年1年間で4700人以上が死亡したとされる。一方、労働問題を扱う団体などは犠牲者の数は毎年2万人に達し、多くの事故が隠蔽されていると主張している。(c)AFP/Peter Harmsen