調査捕鯨船日新丸が早期帰還へ、水産庁は調査捕鯨の継続強調 - 東京
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【東京 1日 AFP】水産庁は1日、調査捕鯨船日新丸で火災が発生したため、南極海から予定より1か月ほど早く調査船団が日本に帰還することになったが、将来的に捕鯨を継続することを明らかにした。一方で捕鯨反対派の活動家らは、今回の早期帰還を歓迎し捕鯨禁止の圧力を高めていくとしている。6隻の船団は、予定捕獲数860頭の半分を少し上回るクジラを捕獲し帰途に着いている。
水産庁の捕鯨担当者は、今回の件が将来の計画に与える影響は「ほとんどない」とし、「同船団は、3月の後半には復帰する予定で、5月に開始される北極海での調査捕鯨に備えることになる」とAFPに語った。さらに、「秋の南極海での調査捕鯨にも出航可能」と加えた。次の南極海での調査捕鯨では、希少種であるザトウクジラの捕獲数を増やすとしている。
南極海をクジラの保護区域と見なすオーストラリアとニュージーランドは、「捕鯨は文化」と主張する日本の活動を中止させることはできていない。
オーストラリアのMalcolm Turnbull環境相は、調査捕鯨の帰還繰り上げを歓迎し、多くのクジラの命が救われたと発言。「オーストラリア政府は、調査捕鯨が停止されるように引き続き世界各国に訴えていく」とした。
日本は、科学的調査のための捕鯨を許可するという、国際的な商業捕鯨一時停止の抜け穴を利用し、クジラの肉を販売している。
6隻の調査捕鯨船は、複数の捕鯨禁止を訴える活動家に追跡され、そのうちの一つ強硬派の環境保護団体シー・シェパード(Sea Shepherd)は、火炎瓶や化学薬品の入った瓶を投げるなどした。シー・シェパードは今回の日本の捕鯨船帰還を喜び、「クジラを愛する人々すべてにとっての朗報」と語った。
水産庁の捕鯨担当者は、火災の原因は活動家らの行為によるものではないとしながらも、暴力行為について「彼らのやっていることは、海賊行為やテロ行為と同じだ。われわれは、暴力に対し暴力で対抗はしない。調査捕鯨への被害を最小限にとどめるための対策を考える必要がある」と激しく非難した。
国際環境保護団体のグリーンピース(Greenpeace)は、強硬派の環境保護団体による暴力行為を批判しつつ、今回の帰還で、日本の捕鯨が調査目的でないことがはっきりしたとしている。グリーンピース日本支部の佐藤潤一海洋生態系問題担当部長は、「火災によって、船に装備されていた食肉加工機具が損傷を受け、調査船団が帰還し始めた。このことで調査ではなく捕鯨が目的だということが分かる。調査が本来の目的ならば、船団はデータ収集を継続していたはずだ」と述べている。
日本政府と提携して調査捕鯨船を保有する共同船舶は、「火災によって調査の副産物であるクジラを加工する機具が被害を受けた」ことを明らかにしている。
日本は5月にアラスカで開催される、国際捕鯨委員会(International Whaling Commission、IWC)で商業捕鯨の全面再開を提言すると見られる。ノルウェーとアイスランドは、1986年以来実施されている商業捕鯨一時停止を無視し、全面的な商業捕鯨を行っている。
グリーンピースは、捕鯨の必要性が失われている証拠として日本の市場でクジラが供給過剰になっていることを指摘している。佐藤部長は「捕鯨が本当に必要かどうか。日本の人々に考えてもらいたい」と語った。
写真は調査捕鯨船日新丸(2月15日、日本鯨類研究所提供)。(c)AFP/The Institute of Cetacean Research
水産庁の捕鯨担当者は、今回の件が将来の計画に与える影響は「ほとんどない」とし、「同船団は、3月の後半には復帰する予定で、5月に開始される北極海での調査捕鯨に備えることになる」とAFPに語った。さらに、「秋の南極海での調査捕鯨にも出航可能」と加えた。次の南極海での調査捕鯨では、希少種であるザトウクジラの捕獲数を増やすとしている。
南極海をクジラの保護区域と見なすオーストラリアとニュージーランドは、「捕鯨は文化」と主張する日本の活動を中止させることはできていない。
オーストラリアのMalcolm Turnbull環境相は、調査捕鯨の帰還繰り上げを歓迎し、多くのクジラの命が救われたと発言。「オーストラリア政府は、調査捕鯨が停止されるように引き続き世界各国に訴えていく」とした。
日本は、科学的調査のための捕鯨を許可するという、国際的な商業捕鯨一時停止の抜け穴を利用し、クジラの肉を販売している。
6隻の調査捕鯨船は、複数の捕鯨禁止を訴える活動家に追跡され、そのうちの一つ強硬派の環境保護団体シー・シェパード(Sea Shepherd)は、火炎瓶や化学薬品の入った瓶を投げるなどした。シー・シェパードは今回の日本の捕鯨船帰還を喜び、「クジラを愛する人々すべてにとっての朗報」と語った。
水産庁の捕鯨担当者は、火災の原因は活動家らの行為によるものではないとしながらも、暴力行為について「彼らのやっていることは、海賊行為やテロ行為と同じだ。われわれは、暴力に対し暴力で対抗はしない。調査捕鯨への被害を最小限にとどめるための対策を考える必要がある」と激しく非難した。
国際環境保護団体のグリーンピース(Greenpeace)は、強硬派の環境保護団体による暴力行為を批判しつつ、今回の帰還で、日本の捕鯨が調査目的でないことがはっきりしたとしている。グリーンピース日本支部の佐藤潤一海洋生態系問題担当部長は、「火災によって、船に装備されていた食肉加工機具が損傷を受け、調査船団が帰還し始めた。このことで調査ではなく捕鯨が目的だということが分かる。調査が本来の目的ならば、船団はデータ収集を継続していたはずだ」と述べている。
日本政府と提携して調査捕鯨船を保有する共同船舶は、「火災によって調査の副産物であるクジラを加工する機具が被害を受けた」ことを明らかにしている。
日本は5月にアラスカで開催される、国際捕鯨委員会(International Whaling Commission、IWC)で商業捕鯨の全面再開を提言すると見られる。ノルウェーとアイスランドは、1986年以来実施されている商業捕鯨一時停止を無視し、全面的な商業捕鯨を行っている。
グリーンピースは、捕鯨の必要性が失われている証拠として日本の市場でクジラが供給過剰になっていることを指摘している。佐藤部長は「捕鯨が本当に必要かどうか。日本の人々に考えてもらいたい」と語った。
写真は調査捕鯨船日新丸(2月15日、日本鯨類研究所提供)。(c)AFP/The Institute of Cetacean Research