【8月19日 AFP】競泳選手のマイケル・フェルプス(Michael Phelps、米国)がメリーランド(Maryland)州のボルティモア(Baltimore)で幼少期を過ごしていたころ、「マイクのようになりたい」というスローガンと共に元NBAのスター選手マイケル・ジョーダン(Michael Jordan)氏が登場するテレビコマーシャルが人気となっていた。

 現在では米国の子供たちが「マイクのようになりたい」と口にするとき、それは北京五輪で1大会最多となる8個の金メダルを獲得したフェルプスを意味することになる。

 しかしフェルプスは、自身が成功を収めたにもかかわらずジョーダンを尊敬していた少年時代のスポーツファンのままでいる。

 フェルプスは「ジョーダンが出演していた『マイクのようになりたい』というコマーシャルを忘れたことはない。いつも(ジョーダンがコマーシャルに出演していた)ゲータレード(Gatorade)を飲んでいた。僕に子供たちの見本となることができるならば、それを光栄に思う。とても素晴らしいことだ。ジョーダンは、直接会ってみたい人の1人だ。まだ会ったことはない。彼がバスケットボールで成し遂げたことを、僕は競泳でしようとしている。彼はバスケットボールというものを根本から変えた」と語っている。

 ジョーダンは何年も前に引退していまった。一方、23歳のフェルプスは、2004年アテネ五輪で6個、北京五輪で8個と五輪通算最多となる14個の金メダルを獲得したにもかかわらず、今後もプールで達成したい目標があると主張した。

 自身の並外れたキャリアがまだ途中であることを示唆するかのように、北京五輪の主役であるフェルプスは、閉会式のために北京(Beijing)に留まることはなく、2012年に次回の五輪を開催するロンドン(London)に向うことになっている。

 フェルプスは「次の五輪への引継ぎとなる式典のためロンドンに向う。これまでの五輪と同じように準備してロンドン五輪を戦いたい。引退する前にもう1度挑戦したい。その気持ちが僕を前に進ませ、新種目への意欲をかき立てている。背泳ぎだろうと100メートルの自由形だろうと、ボブ(フェルプスのコーチ)と共に挑戦し、4年かけて取り組んでいくことになる。楽しみで仕方ない。ボブは、来年には厳しい練習を始めると言っていた」と語っている。

 フェルプスのライバルたちにとって嬉しい知らせは、フェルプスが4年後には北京五輪で達成した金メダル記録には挑戦するつもりがないことだろう。フェルプスは「とても難しいことだろう。(挑戦するには)年を取り過ぎていると思う」と語っている。(c)AFP/Julian Guyer