【8月9日 AFP】北京五輪第2日、柔道・女子48キロ級3位決定戦。日本の谷亮子(Ryoko Tani)は、ロシアのリュドミラ・ボグダノワ(Liudmila Bogdanova)と対戦。谷は払い腰でボグダノワから一本を奪い、銅メダルを獲得した。

 谷の五輪3連覇の夢が途絶え、日本柔道の名誉回復は初日から失速した状態となった。準決勝で谷は主審から3回目の指導を受け、両者得点無しながらも2回の指導に終わった4度の欧州王者に輝いているアリナ・ドゥミトル(Alina Dumitru、ルーマニア)に敗れた。

 世界柔道選手権(25th World Judo Championship)の準決勝では谷に敗れていたドゥミトルは、その後行われた決勝でキューバのヤネット・ベルモイ(Yanet Bermoy)から大外刈りで一本を奪い、金メダルを獲得している。

 女子柔道が初めて正式採用された92年のバルセロナ五輪の決勝でセシル・ノバック(Cecile Nowak)に敗れて銀メダルを獲得した谷は、続く96年のアトランタ五輪でも北朝鮮の桂順姫(Kye Sun-Hui)にも敗れたものの、その後シドニー五輪とアテネ五輪で連覇を果たしていた。

 谷の準決勝敗退は大いに議論を呼ぶこととなる。どちらの選手も端的に言えば相手より積極性が足りなかったのは明らかだったが、谷は消極的としてドゥミトルより一つ多く指導を受けた。

 谷は「審判が判断するので、自分ではどうしようもない。結果をしっかり受け止めている」と語り、ドゥミトルが指導を受けずリードを許すこととなった審判の決定的な3度目の指導の判定に何も言うことはないと語っている。(c)AFP/Shigemi Sato