【8月19日 AFP】2004年アテネ五輪の男子110メートルハードル金メダリスト、中国の劉翔(Liu Xiang、リュウショウ)選手が、北京五輪で18日に行われた同種目1次予選を棄権したことで「ダフ屋」らが急遽、決勝のチケットを売り払おうと必死になっている。

 21日に行われる男子110メートルハードル決勝のチケットは、地元中国の劉選手への大きな期待から闇市場で猛烈な人気だった。しかし劉選手は18日、予選第6組のスタートの位置についたものの、1度目のスタートがフライングとなった後、けがのためレースを棄権した。

 競技会場の集中する地区の外で会ったアメリカ人のダフ屋は、同種目の決勝チケットを何十枚も持っていたという。「(棄権の)ニュースを聞いてすぐスタジアムに行き、持っていたチケットを全部、正規の値段で投げ売りしたよ」。棄権が伝わるまでは、額面価格400-800元(約6400-1万3000円)の同決勝チケットを最低でも1500元(約2万4000円)で売っていた。

 中国人ダフ屋の中には、決勝だけではなく劉選手の出場が予定されていた日のすべてのチケットをまだ売っている者もいるが、劉選手の棄権以降、値段は下がる一方だ。21日の決勝チケットを正規価格の4倍以上に当たる3500元(約5万6000円)で売っているダフ屋もいたが、劉選手の棄権前は6000元(約9万6000円)の値が付いていたという。

 ある米国人オンライン・ブローカーによるサイトでは、455ドル(約5万円)で売られているチケットもあった。連絡を取るとブローカーは北京入りしていた。このブローカーはまだ値下げを躊躇していると語った。(c)AFP