【8月13日 AFP】北京五輪の各競技会場の多くでは空席が目立つとして問題になっているが、会場の外では外国人や中国人のダフ屋たちが、拘束される危険もものともせず、額面の10倍以上の値段でチケットを売買している。

 五輪組織委員会側は、チケットが売り切れている会場で見られる多くの空席は問題だとの認識を示し、問題解消に取り組んでいるとしている。スポンサーや企業などがチケットを無料配付したことも原因のひとつと考えられるという。

 「鳥の巣(Bird's Nest)」の愛称で親しまれる、北京五輪のメーン会場の「国家体育場(National Stadium)」の近くでも、AFP記者はさまざまな競技のチケットを販売するダフ屋の姿を目撃している。ダフ屋の国籍もカナダやモロッコ、米国などとさまざまで、特に目立つのは英国だ。

 チケットの値段については、水泳を例にとると、正規の値段は1枚200元(約3200円)だが、ダフ屋では5000元(約8万円)で販売されている。ある米国人ダフ屋は、開会式のチケット3枚を2万ドル(約220万円)で販売したことを明らかにした。また、ある北京(Beijing)市民は「男子バレーボール・米国対中国のチケットが1万元(約16万円)で売られていた」と語った。

 北京五輪組織委員会(Beijing Organizing Committee for the 2008 Olympic GamesBOCOG)の王偉(Wang Wei)執行副会長は、チケットや空席の問題があることを認めた上で、多くの五輪スポンサー企業が、予選に興味がなかったり1試合しか観戦しないような顧客や友人などにチケットを無料配付していると指摘している。(c)AFP