【8月9日 AFP】(写真追加)香港(Hong Kong)で9日、北京五輪の馬術競技場から、チベット(Tibet)支持派として中国政府に対し抗議活動を行った経歴のある女子大生が、当局によって強制退去させられた。

 香港の女子大生、クリスティーナ・チャン(Christina Chan)さんがAFPに語ったところによると、チャンさんは今回も競技場でチベット旗を振る計画だったが、実行前にまず五輪の警備要員がチャンさんに競技場から立ち去るよう求め、続いて警察官が呼ばれ、チャンさんを取り囲み、強制的に退場させたという。

「わたしはただ、カナダ国旗を振っていただけだ。それをおとりに使う予定だった。しかし、彼らは、わたしが規則に違反したため退場しなければならないと言った。すべてが本当にばかげている」

 チャンさんによると、チャンさんの友人がチベット旗をこっそり隠し持って競技場に入った。チャンさんは荷物検査されると分かっていたからだという。また、強制退場させられる際に引っかき傷ができ、ひじからも血が出たという。

 中国政府が直面している問題の中でも、チベット問題は最も議論を呼んでおり、香港では言論の自由が尊重されているにもかかわらず、行政区当局は中央政府に配慮し問題が起こらないよう努めている。

 一方、組織委員会側は、チャンさんともう1人の人物が、政治的スローガンや人種的憎悪を広めることを禁じた国際オリンピック委員会(International Olympic CommitteeIOC)の規則に違反したため、競技場から立ち去るよう求めたと述べた。(c)AFP