北京五輪控え、オンライン・ギャンブルを監視
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【7月23日 AFP】中国には何でも賭けの対象としたがる賭博師たちの長い歴史があるが、北京五輪を控え、この賭け事に対する「情熱」がまさしく関係者たちを悩ませている。
中国本土でギャンブルは違法だが、ほとんどどの都市の街角でも賭けをする風景が見かけられる。しかし、当局の関心を引いているのは、最近登場したオンライン・ギャンブルだ。
北東部のある裁判所では7月に入り、オンライン・ギャンブル組織のメンバー42人に最高で禁固15年の有罪判決を下した。この組織は約1年にわたり、オンライン経由では過去最高の58億元(約900億円)規模のギャンブルを運営していたと、国営新華社(Xinhua)通信は報じた。
中国人のギャンブル好きが最もあからさまに目撃できるのは、合法にギャンブルができる旧ポルトガル植民領マカオだ。2007年、マカオのギャンブル収益は米ラスベガス・ストリップ(Las Vegas)を抜き、100億ドル(約1070億円)に達した。
■IOCは「異常な」賭け方を監視へ
北京五輪に出場する選手たちや関係者の八百長を防ぐため、国際オリンピック委員会(International Olympic Committee、IOC)は6月、五輪期間中、「異常な」賭け方を監視する特別チームを発足すると発表した。
ジャック・ロゲ(Jacques Rogge)IOC会長は、「大規模で優良なギャンブル企業」と契約したことを明かし、「われわれと連携することは彼らの利益でもある」と述べた。通常見られないパターンの賭け方がないか助言を受けるという。また国際刑事警察機構(インターポール、Interpol)とも緊密に連携するとしている。
未認可の賭けや八百長は、世界のインターネット上で爆発的にギャンブルが広まりつつある中、大きな懸念になっている。
■八百長止まらぬ中国サッカー界
中国では2006年、サッカー国内リーグのクラブ幹部や選手、審判までをも巻き込んだ八百長が発覚し、ファンたちの激怒が試合後、暴動に発展。また観客の激減へとつながり、リーグ崩壊寸前まで追い込まれた。
この際、アジア・サッカー連盟(AFC:Asian Football Confederation)は、中国はスポーツを適切に管理していないと非難した。批判された中国側は関係した選手や監督らを禁固刑とし、この惨事に始末をつけるとともに、収益性の高いインターネット・ギャンブルを運営する組織の撲滅に乗り出した。
しかし4月にもシンガポールのサッカーリーグ(Sリーグ)に加盟している中国のクラブ、FC遼寧廣原(Liaoning Guangyuan)の選手6人が、自分たちのクラブのオーナーから前年、同リーグの6試合を負けることを持ちかけられて2万ドル(約220万円)を受領したとして、罰金や禁固刑を科された。オーナーは自らのチームが負けるほうに賭けていたため、選手たちを買収したとみられている。このオーナーはその後、中国へ帰国し、処罰を逃れている。
■合法化し収入源に、との声も
2007年5月に別のオンライン・ギャンブル組織に関与したとして、中国当局が検挙したのは37人。この組織の運営するギャンブルには、2年間弱で40億元(約630億円)以上が賭けられていた。組織のために実際に動いていた人数は、1000人を超えるとみられている。
一方、地下ギャンブルも普及しており、研究者や政府高官の中には、政府の歳入を増やすために、ギャンブルを認め税収入源とする法律を整備すべきだという声もある。(c)AFP
中国本土でギャンブルは違法だが、ほとんどどの都市の街角でも賭けをする風景が見かけられる。しかし、当局の関心を引いているのは、最近登場したオンライン・ギャンブルだ。
北東部のある裁判所では7月に入り、オンライン・ギャンブル組織のメンバー42人に最高で禁固15年の有罪判決を下した。この組織は約1年にわたり、オンライン経由では過去最高の58億元(約900億円)規模のギャンブルを運営していたと、国営新華社(Xinhua)通信は報じた。
中国人のギャンブル好きが最もあからさまに目撃できるのは、合法にギャンブルができる旧ポルトガル植民領マカオだ。2007年、マカオのギャンブル収益は米ラスベガス・ストリップ(Las Vegas)を抜き、100億ドル(約1070億円)に達した。
■IOCは「異常な」賭け方を監視へ
北京五輪に出場する選手たちや関係者の八百長を防ぐため、国際オリンピック委員会(International Olympic Committee、IOC)は6月、五輪期間中、「異常な」賭け方を監視する特別チームを発足すると発表した。
ジャック・ロゲ(Jacques Rogge)IOC会長は、「大規模で優良なギャンブル企業」と契約したことを明かし、「われわれと連携することは彼らの利益でもある」と述べた。通常見られないパターンの賭け方がないか助言を受けるという。また国際刑事警察機構(インターポール、Interpol)とも緊密に連携するとしている。
未認可の賭けや八百長は、世界のインターネット上で爆発的にギャンブルが広まりつつある中、大きな懸念になっている。
■八百長止まらぬ中国サッカー界
中国では2006年、サッカー国内リーグのクラブ幹部や選手、審判までをも巻き込んだ八百長が発覚し、ファンたちの激怒が試合後、暴動に発展。また観客の激減へとつながり、リーグ崩壊寸前まで追い込まれた。
この際、アジア・サッカー連盟(AFC:Asian Football Confederation)は、中国はスポーツを適切に管理していないと非難した。批判された中国側は関係した選手や監督らを禁固刑とし、この惨事に始末をつけるとともに、収益性の高いインターネット・ギャンブルを運営する組織の撲滅に乗り出した。
しかし4月にもシンガポールのサッカーリーグ(Sリーグ)に加盟している中国のクラブ、FC遼寧廣原(Liaoning Guangyuan)の選手6人が、自分たちのクラブのオーナーから前年、同リーグの6試合を負けることを持ちかけられて2万ドル(約220万円)を受領したとして、罰金や禁固刑を科された。オーナーは自らのチームが負けるほうに賭けていたため、選手たちを買収したとみられている。このオーナーはその後、中国へ帰国し、処罰を逃れている。
■合法化し収入源に、との声も
2007年5月に別のオンライン・ギャンブル組織に関与したとして、中国当局が検挙したのは37人。この組織の運営するギャンブルには、2年間弱で40億元(約630億円)以上が賭けられていた。組織のために実際に動いていた人数は、1000人を超えるとみられている。
一方、地下ギャンブルも普及しており、研究者や政府高官の中には、政府の歳入を増やすために、ギャンブルを認め税収入源とする法律を整備すべきだという声もある。(c)AFP