【7月18日 AFP】北京五輪は「楽しみのない五輪」として記憶に残ることになるのだろうか――こんな疑問が、北京(Beijing)に住む外国人や地元の人々の口に上っている。

■「2日連続の運転ダメ」、厳しい警備

 来月の五輪開催を前に、中国政府はテロ攻撃を強く警告し、セキュリティーチェックやナイトスポットの取り締まりが強化されている。

 ビザ(査証)申請手続きが厳しくなったことに加え、宿泊施設の値上がりで旅行者は減った。車の運転も制限され、2日連続で乗ることができないため、市民が郊外に小旅行に出かけることすらままならない。

 また、不定期にセキュリティーチェックが行われるため、人々は常に身分証かパスポートを持ち歩かなければならなくなった。

 このような中でシドニーやアテネのようなお祭り気分が再現できるのか、疑問の声が上がっている。

■バー営業停止、ライブハウスは静かに

 ある中国人音楽家はこう話す。「五輪に満足していない人はたくさんいる。2001年に北京での五輪開催が決まった時は、そりゃあみんな幸せだった。わたしも含めてね。でもだんだん窮屈になってきた」

 人気のあるバーやレストランも、工人体育場(Workers' Stadium)など五輪会場に近いと当局が見なせば、安全上の問題から営業停止を余儀なくされている。

 あるバーの外国人経営者によると、営業を続けている店も、手荷物検査を実施し、混雑を避けるよう当局から指導を受けている。この経営者は警察当局の注意を引く恐れがあるとして、名前を明らかにしなかった。

 最近増えてきているライブハウスなども、騒音を立てないよう指導されたという。

■「かつてないテロ脅威」、当局は措置を正当化

 北京五輪組織委員会(Beijing Organizing Committee for the 2008 Olympic GamesBOCOG)は、大規模なスポーツ大会開催にあたって安全を確保するための必要な措置だと主張。

 中国当局も、新疆ウイグル(Xinjiang Uighur)自治区やチベット(Tibet)自治区をめぐって「北京五輪は五輪史上かつてないテロの脅威にひんしている」として、欧米メディアの報道を一笑に付した。(c)AFP/Marianne Barriaux