【2月22日 MODE PRESS PLUS】開催が間近に迫った『第85回アカデミー賞授賞式』。日本でも2月25日午前9時（日本時間）からWOWOWで生中継される。賞レース本番の結果は当日を楽しみにするとして、「作品賞」にノミネートされている映画の中で、日本の女性たちが「観たい」と思う作品はどれなのか。東京の街角で女性たちへのアンケートを実施した。

 街頭アンケートに先駆けて、最近、和風美女日本代表級の大活躍が気になる壇蜜さんに聞いてみた。2012年公開の『私の奴隷になりなさい』（角川映画）で自らも映画初主演。バラエティー番組などで思わせぶりな色っぽい発言を繰り広げる彼女は、はたしてどの作品を選ぶのだろう。

 壇蜜さんがまず目を留めた作品は『アルゴ』だった。『アルマゲドン』（1998年）などに出演した俳優でもあるベン・アフレックが監督を務める同作は、1979年に起きたイランのアメリカ大使館人質事件を描いた作品。「この映画の題材になっている事件は、私が生まれる直前に起きています。私の人生と同じ時間がたった今、大好きなベン・アフレック監督が、どんな風に描くのか興味がありますね」（壇蜜さん）

 しかし、最終的に選んだ作品は『レ・ミゼラブル』。今回のアカデミー賞では、作品賞をはじめ8部門にノミネートされている。「原作の『ああ無情』を読んで、パンを盗んだだけで長年投獄されてしまう理不尽さに震えました。私自身、今、人生の流れに翻弄されていますが、人には誰でも、置かれる場所が他人の力で変えられてしまうことがあります。深遠な原作の物語が、映画の中でどう昇華しているか。ぜひ自分の目で確かめたいですね」と壇蜜さん。

 日頃の発言ぶりからは意外なほどの真面目な答えだったが、「大好きな映画の質問で、セクシー発言を忘れていました（笑）。でも、男性と映画を見るのはそれだけで特別な時間を共有することですからね。女性が秘めたココロの裏側は、ぜひご自分の目と手で確かめてください」と、いつもの笑顔でしめくくってくれた。

 さて、続いて街頭アンケートの結果を発表しよう。アンケートは2月16日と17日にかけて、東京・表参道と銀座などの街頭で、高校生から30歳代の女性108人を対象に実施した。

【街頭アンケート結果】

第1位『ライフ・オブ・パイ／トラと漂流した227日』28票

第2位『レ・ミゼラブル』26票

第3位『世界にひとつのプレイブック』19票

 第1位は『ライフ・オブ・パイ／トラと漂流した227日』。アンケート実施直前の1月下旬に日本公開されたばかりで「CMが印象的だったから」（25歳・会社員）や、「どうやってトラに食べられないで生き延びたのか気になります」（32歳・主婦）といった答えが多かった。

 第2位は『レ・ミゼラブル』。「壇蜜さんはこれ選んだんですね？ じゃあ、私も」（21歳・大学生）など、やや壇蜜さんのキスマークシールに引っ張られた印象はあるものの、「ミュージカルも有名な作品ですし絶対に感動できると思う」（27歳・会社員）や「原作を読んだことないので、まずは映画で見たいと思います」（37歳・会社員）など、やはり古典的名作である原作への期待が大きかった。

 そして『世界にひとつのプレイブック』が第3位。「やっぱり恋の映画を見たい」（22歳・学生）や、「映画館でみた予告編で、優しいラブストーリーと感じたから」（28歳・フリーター）など、やはり女性はラブストーリーがお好きなようだ。

 はたして、現実の授賞式の結果はどうなるか。映画評論家の中井圭氏に作品賞の予想を聞いた。「ベン・アフレック監督作『アルゴ』、デヴィッド・O・ラッセル監督作『世界にひとつのプレイブック』、そして最多ノミネートで本命のスティーヴン・スピルバーグ監督作『リンカーン』の三つ巴になることは間違いないと思います」

 さらに「個人的には『世界にひとつのプレイブック』に取ってほしいですが、特に注目すべきは『アルゴ』です。アカデミー賞の傾向として、作品賞、監督賞をセットで受賞することが多いので、監督賞にノミネートすらされていない『アルゴ』が作品賞を受賞したら極めてまれなこと。セオリーから考えるとほとんどあり得ないと言っても良いのですが、とんでもないどんでん返しがあるかもしれません」と中井氏。

 史上まれにみるどんでん返しは起こるのか。25日の本番がますます気になるところ。『第85回アカデミー賞授賞式』は、日本でも2月25日午前9時（日本時間）からWOWOWで生中継される。作品賞の行方のみならず、ハリウッドのスターたちが集結する映画の祭典に注目したい。(c)MODE PRESS PLUS/MODE PRESS

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